「よりキレイ」であることが求められていた校正
JMPAカラーが登場する以前の雑誌広告では、制作段階で校正を確認する際に、クライアント・広告会社ともに、“なるべくキレイな色味”を出すことに注力していました。
雑誌の色校正は、平台校正によって刷られる時代が長くありました。平台校正の職人さんは、自分自身のノウハウ・スキルで色味を調整し、オーダーされたイメージ通りの色校を刷ることができました。
例えば、クライアントや広告会社のADが「ここの赤味をもっと鮮やかにして」とオーダーすれば、実際にその要求に応える色校正を出すことができていたのです。
その校正は、雑誌掲載時の色味を約束できていなかった
ただ、その色味は、校正の段階では表現することができても、雑誌の本印刷では再現し切れない部分がありました。
雑誌メディアで実際に印刷可能な色空間は、制作(校正)の段階の色空間よりも狭いのです。
(右のイメージ図参照)
そのため、校正段階での色味をもって、「この色味を雑誌掲載時にも再現できます」と約束することは、オーバーに言えば嘘をついてしまっていたことになるのです。
「校正で見た色味と違う」というトラブル
そこの部分の認識が食い違ったままだと、雑誌の本掲載を見たクライアントから、「校正の時に見た色味と違う!」というクレームが来ることになります。
それはもっともなことです。
雑誌では再現できない色味を、校正の段階で「できます」「近づけるように努力します」と言ってしまっていたのですから。
こうしたトラブルは、雑誌広告において頻繁に起こるものでした。
「校正の役割」を見直す
校正の段階でどれだけキレイな色味を表現し、その色味でクライアントの了解を得ても、それが雑誌の本掲載で印刷不可能な色味では、そもそもの「校正」という意味がありません。
本来、校正というのは、「媒体掲載時を想定して事前に確認するもの」です。
それまでの雑誌広告においては、色味に関して、その理解や認識が薄く、これもオーバーに言えば、「実現不可能な理想を語り合っている状態」、「気づかずにお互いに嘘を付き合っている状態」でした。
JMPAカラー以前の最大の問題点 (※)
制作(校正)の段階で、雑誌印刷で再現不可能な色味を使い、
その色味での掲載をクライアントに約束してしまっていたこと
「制作の段階で雑誌掲載時の色味を確認」するために、
JMPAカラーを策定
(※) 補足:その他に存在していた問題点
・ 個々の職人のスキルに依存するため、人によって色味のバラつきも起きる
・ 職人の人材が減少し、育成も滞っている
・ 他の媒体(例えば新聞)と比べて、入稿締切日が大幅に早い
・ 制作プロセスの中で様々なコストがかかる